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長期優良住宅の減税制度とは?減税以外の優遇制度についても解説

長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で住み続けられる高品質な住宅であることを、国によって証明された住宅です。長期優良住宅は増加傾向にあり、2021年度の時点で一戸建て住宅の総戸数のうち27.7%が長期優良住宅として認定されています。増加の理由として、国が長期優良住宅を推進するために、さまざまな減税制度や優遇制度を用意している点が挙げられるでしょう。

この記事は長期優良住宅の各種減税制度や優遇制度、長期優良住宅のメリット・デメリットについて解説します。

1. 長期優良住宅とは

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、長く良好な状態で住み続けるために、大きく分けて以下の5つの措置を講じた、性能の高い住宅のことです。

  • 長期的に使用するための構造・設備を有している
  • 居住環境などへの配慮を行っている
  • 一定面積以上の住戸面積がある
  • 維持保全の期間・方法を定めている
  • 自然災害への配慮が講じられている

上記のうち「長期的に使用するための構造・設備」は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度の基準を準用しています。

長期優良住宅は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて認定されるものです。長期優良住宅の新築または既存住宅の増築・改築が認定の対象となります。

長期優良住宅とは?認定基準や認定メリットについて解説

2. 長期優良住宅の減税制度

長期優良住宅の減税制度

長期優良住宅は、従来の「作っては壊す」社会から、「よいものを作って長く使う」社会へと転換することを目的とした事業です。長期優良住宅を推進するために、国はさまざまな優遇措置を取っています。

長期優良住宅に対する減税制度を5つ解説します。

2-1. 住宅ローン控除

長期優良住宅は一般住宅と比較して、住宅ローン控除の面で優遇されています。長期優良住宅とその他の住宅における、住宅ローン控除制度の違いは以下の通りです。

【新築住宅の場合】

住宅の種類 居住年 借入限度額 控除率 控除期間
長期優良住宅 2022~2023年 5,000万円 0.7% 13年
2024~2025年 4,500万円
その他の住宅 2022~2023年 3,000万円
2024~2025年 0円(2023年末までに建築確認を受けた場合は2,000万円) 10年

出典:財務省「令和4年度税制改正の大綱」

住宅ローン控除を受ける際には、居住年によって借入限度額や控除期間が変わる点に注意しましょう。なお、控除の適用を受けるためには、主として以下の要件を満たす必要があります。

  • 居住用の家屋である
  • 住宅の引き渡しまたは取得から6か月以内に住み始め、同年の年末まで住み続けている
  • ローン返済期間が10年以上である
  • 住宅ローンを借りた人の所得が2,000万円以下である
  • 省エネ基準に適合した住宅である(2024年1月~)
  • 長期優良住宅として認定通知書を受け取っている(長期優良住宅の場合)

2-2. 所得税の控除

「認定住宅等新築等特別税額控除制度」を利用すれば、長期優良住宅購入の際に所得税が控除されます。

通常、住宅ローンを利用せず、一括払いで住宅を購入した人は住宅ローン控除対象になりません。しかし特別控除を利用することで、住宅ローンの利用の有無にかかわらず、性能強化費用相当額の10%を所得税から控除できます。なお、最大控除額は650万円であり、控除期間は居住した年に限られます。

長期優良住宅を購入し所得税控除を受けるための条件は、以下の通りです。

  • 新築長期優良住宅または建築後使用されたことのない長期優良住宅を取得した
  • 住宅の引き渡しまたは取得から6か月以内に住み始めている
  • 控除を受ける年の所得が3,000万円以下である
  • 床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上を居住に使用している
  • 2つ以上の住宅を所有している場合、メインで居住する住宅である
  • 居住年および直近2年間に譲渡所得の課税の特例を受けていない
  • 居住年の翌年以後3年以内に一定の資産を譲渡し、譲渡所得の課税の特例を受けていない

2-3. 不動産取得税の軽減

一般の住宅の場合、不動産取得税は固定資産税評価額から1,200万円を控除されて計算されます。一方、長期優良住宅の場合の控除額は1,300万円であり、一般の住宅に比べて不動産取得税が軽減される点が特徴です。

長期優良住宅の不動産取得税の軽減は特例であり、2022年3月31日までに申請が必要でした。現在は2年延長され、2024年3月31日までの新築に対して特例が適用されます。

長期優良住宅の不動産取得税軽減を申請するには、主に以下の要件を満たすことが必要です。

  • 床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下の住宅である
  • 都道府県の条例に従って、各都道府県の税事務所に必要書類を提出している

必要な書類は都道府県ごとに異なるため、申請前には自治体に問い合わせましょう。

2-4. 登録免許税の軽減

不動産の登録免許税は、一般の住宅の場合基本的に税額0.15%となりますが、長期優良住宅は0.1%に優遇されています。登録免除税の軽減も不動産取得税の軽減と同じく、2024年3月31日まで適用期限が延長されました。

長期優良住宅の登録免許税の軽減を申請する要件は主に以下の通りです。

  • 床面積が50平方メートル以上である
  • 住宅の新築または取得から1年以内に登記している
  • 主に住居として使用する家屋である

2-5. 固定資産税の軽減

一般的な戸建て住宅の場合、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下であれば、3年間固定資産税が2分の1減額される措置があります。一方、長期優良住宅の一戸建ての場合は、固定資産税が5年間にわたって2分の1に減額になる優遇を受けることが可能です。

3. 減税以外の長期優良住宅の優遇制度

減税以外の長期優良住宅の優遇制度

減税以外にも、長期優良住宅にはいくつかの優遇制度が用意されています。長期優良住宅をお得に建てるためには、それぞれの優遇制度について知っておくことが大切です。減税以外の長期優良住宅の優遇制度を3つ紹介します。

3-1. 住宅ローンの金利優遇

長期優良住宅には住宅ローン金利の優遇制度があります。長期優良住宅を購入した際に利用できる、金利などが優遇されたローンは「フラット35S」と「フラット50」の2種類です。

フラット35Sとは、長期優良住宅や低炭素住宅などの高品質な住宅を取得するときに利用できるローンです。フラット35Sは、さらに「金利Aプラン」と「金利Bプラン」に分けられます。それぞれのプランの内容は以下の通りです。

金利引き下げ期間 金利引き下げ幅
金利Aプラン 当初10年間 年0.25%
金利Bプラン 当初5年間

長期優良住宅の要件を満たしている場合、自動的に金利Aプランの要件も満たせるため、10年間にわたって金利引き下げを受けられます。

フラット50は、最長50年返済が可能となっている全期間固定金利型の住宅ローンで、長期優良住宅を取得する場合のみ利用できます。フラット50を利用すれば、年間の返済額が小さくなり、固定金利のため安心して決まった金額を返済できる点がメリットです。売却時にローンを買主へ引き継ぐことも可能であり、住宅の売却後にローンを返す必要もありません。

3-2. 地震保険料の減額

長期優良住宅の認定基準の中には耐震性が含まれており、耐震等級割引あるいは免震建築物割引のいずれかの条件を満たしています。よって、長期優良住宅は地震保険料の減額を受けることが可能です。

地震保険料の割引率は、長期優良住宅の耐震等級によって変わります。耐震等級2であれば30%、耐震等級3であれば50%の割引を受けられます。ただし、実際は耐震等級3であっても、それを確認できる書類を用意できない場合は耐震等級2以下の低い割引率しか適用されない場合があるため注意しましょう。

3-3. 補助金の交付

長期優良住宅を取得した場合、「こどもエコすまい支援事業」もしくは「地域型住宅グリーン化事業」の補助金の交付を受けられる可能性があります。

「こどもエコすまい支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯を補助対象者とした制度です。申請が通過すれば1戸につき100万円の補助金を受給できます。

「地域型住宅グリーン化事業」は、国土交通省の採択を受けたグループが建てる長期優良住宅などに対して補助金が支給される制度です。申請が認められれば、1戸につき最大150万円の補助金を受給できます。

なお、「こどもエコすまい支援事業」と「地域型住宅グリーン化事業」の併用は認められていません。両方の補助金制度の対象となっている場合は、地域型住宅グリーン化事業の「こどもエコ活用タイプ」を選択する必要があります。

また、市町村ごとに独自の補助金制度が存在するケースもあるため、事前に確認するのがおすすめです。

4. 長期優良住宅を選ぶ判断基準

長期優良住宅は品質の高い住宅をさまざまな優遇措置を受けながら手に入れられ、多くのメリットがあります。

ただし、長期優良住宅の基準を満たすときにデメリットを感じる人もゼロではありません。自分に合った家を建てるために、優遇措置以外のメリットと、人によってはデメリットに感じられる部分を紹介します。

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4-1. 長期優良住宅のメリット

長期優良住宅を建てるメリットの1つは、長期的に住める高品質の住宅を手に入れられることです。長期優良住宅は国が定める基準を満たした良質な住宅であり、以下のような特徴があります。

  • 耐震性が高く地震などの災害に強い
  • 高性能で快適に生活しやすい
  • 省エネで地球環境に優しい

また、売却時に有利になりやすい点も長期優良住宅の大きなメリットです。長期優良住宅は、都道府県知事あるいは市町村長の認定を受けており、客観的に価値を認められています。住宅を売却する場合、長期優良住宅であることがアピールポイントとなり、売却額などが上がりやすいメリットがあります。

4-2. 長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅にはさまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットがある点に注意が必要です。

申請に費用がかかる

長期優良住宅認定を受ける際、書類作成費用や代行申請費用がかかる点がデメリットの1つです。目安として、認定や技術審査にかかる手数料が5万~6万円程度、手続きを工務店などに代行してもらう場合は設計図書類の作成に20万円程度かかります。


ただし、認定してもらうことで資産価値の向上や税制優遇なども得られるため、実際にはお得に高性能な住宅を手に入れられるとも言えます。

建築費が高くなりやすい

長期優良住宅として認められる住宅を建てる場合、グレードが高い構造部材や住宅設備を選ぶ必要があるため、建築コストが高くなりやすい点がデメリットの1つです。


ただし、長期優良住宅は税金や光熱費が安くなることから、長期的にみればお得になるケースも多くあります。

定期的なメンテナンスが必要になる

長期優良住宅の認定基準項目には「維持保全計画」があり、計画に従って住宅の維持管理を行い続けなれば認定を取り消されるケースもあります。


メンテナンスのために手間や費用はかかりますが、定期点検が義務付けられていることで住宅のトラブルを早期に発見でき、結果として無駄な出費を削減できるでしょう。

まとめ

長期優良住宅にはさまざまな減税制度や優遇措置が用意されています。住宅ローンや所得税の控除、不動産取得税・登録免許税・固定資産税の軽減などは、自分の家を長期優良住宅にするインセンティブになるでしょう。くわえて、フラット35S・フラット50などの住宅ローン金利優遇制度や、地震保険料の減額、各種補助金の交付などでも、長期優良住宅は有利です。

さらに、自分の家が長期的に住める高品質の住宅であることを証明でき、資産価値が高まる点もメリットと言えます。快適に住み続けられるだけでなく、売却の際にも住宅の性能をアピールできるでしょう。申請に費用が必要、建築費が高くなりやすい、定期的なメンテナンスを求められるなどのデメリットがあるものの、デメリットを補えるだけの多くの利点があります。

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