初めて分譲住宅の購入を検討している方々にとって、建物の構造や仕様を理解することは簡単ではありません。
「カタログに書かれている専門用語の意味がわからない」「同じような外観の分譲住宅でも、価格差があるのはなぜだろう?」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
マイホーム購入は人生で最も大きな買い物の一つです。限られた予算の中で、最適な品質と仕様を持つ分譲住宅を見極めるためには、建物仕様についての正しい知識が欠かせません。
この記事では、分譲住宅の主要な構造の特徴や、建物仕様を確認する方法、住宅購入時に特に注目すべきポイントについて詳しく解説します。
これらの知識を身につけることで、建物の品質や耐久性を正確に判断し、後悔のない住宅選びができるようになります。
目次
分譲・建売住宅の構造とは
分譲・建売住宅の構造は、主に4種類に分けられます。木造軸組工法(在来工法)、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)、鉄筋コンクリート造(RC造)、そして軽量鉄骨造です。
これらの構造は住宅の耐久性や断熱性、耐震性など建物仕様の根幹となる部分に大きく影響します。構造によって特徴や価格帯が異なりますので、分譲住宅を選ぶ際にはぜひ確認してみてください。
木造軸組工法(在来工法)
木造軸組工法は、日本の住宅建築で一般的に採用されている伝統的な構法です。分譲住宅の建物仕様として多く見られるこの工法は、柱や梁などの軸組みを組み合わせて建物の骨組みを作り上げます。
日本の気候風土に適した構造で、湿度の高い環境でも木材が呼吸することで室内環境を快適に保ちます。
この工法の最大の魅力は自由度の高さにあります。間取りの変更や将来のリフォームが比較的容易で、住まい手のライフスタイルの変化に対応できるのが特徴です。
また、木の温もりを感じられる住空間を実現できるため、多くの方に好まれています。分譲住宅の建物仕様として木造軸組工法が選ばれる理由の一つは、この心地よさにあるでしょう。
長い歴史を持つ木造軸組工法ですが、現代の分譲住宅では伝統技術と最新技術を融合させた建物仕様が採用されていることが多いのです。
枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は、北米から導入された高い耐震性能を持つ住宅構造として、分譲住宅市場で人気を集めています。
この工法の最大の特徴は、均一な性能を持つ規格化された木材(2インチ×4インチの部材)を格子状に組み合わせることで、建物全体がひとつの箱として機能する点です。
分譲住宅の建物仕様としてツーバイフォー工法が選ばれる理由は、その優れた構造性能にあります。壁・床・天井の6面体すべてが構造材となるため、地震の際に建物全体で力を分散できます。
枠組壁工法の分譲住宅には、断熱性能の高さも見逃せません。壁内部に断熱材をしっかり充填できる構造となっており、冬暖かく夏涼しい住環境を実現しやすいでしょう。気密性も高いため、エネルギー効率に優れた建物仕様となっています。
枠組壁工法は、高い耐震性、断熱性、気密性を兼ね備えた、現代の分譲住宅に求められる性能をバランスよく満たした構造工法といえるでしょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造(RC造)は、高い耐久性と耐火性を誇る建物構造として強固な建物仕様を実現します。
また、コンクリートの高い遮音性により、外部騒音を効果的に遮断できるため、幹線道路沿いや都市部の分譲住宅に採用されることが多いでしょう。
マンションでおなじみのRC造ですが、戸建ての分譲住宅でも耐久性や耐火性を重視する場合に選ばれることが多いようです。
長期的な視点で住まいを考える方にとって、RC造の分譲住宅は検討する価値があるでしょう。
軽量鉄骨造
軽量鉄骨造は、薄い鉄板を加工した鉄骨部材を組み立てて作る軽くて強い構造が特徴の住宅です。一般的な分譲住宅の建物仕様としては、木造住宅と鉄筋コンクリート造の中間的な性能を持っています。
軽量鉄骨造の最大のメリットは、錆に強い亜鉛メッキ鋼板を使用していることから耐久性が高く、シロアリなどの害虫被害を受けない点です。
また鉄骨フレームの強度により、分譲住宅の建物仕様としては耐震性能も高く評価されており、地震の揺れに対して強い抵抗力を持っているでしょう。
耐久性を重視しながらも、比較的手頃な価格帯で住宅を購入したい方にとって、軽量鉄骨造の分譲住宅は魅力的な選択肢といえるでしょう。
分譲・建売住宅の構造を確認する方法
分譲住宅や建売住宅を購入する際には、住宅の構造や建物仕様を正確に把握することが大切です。建物の品質や耐久性を判断するためには、まず信頼できる情報源から構造について確認する必要があります。
建物仕様書の確認や内覧会での実際の確認、さらに専門家による住宅診断サービスの利用など、複数の方法を組み合わせることで、より正確な情報を得ることができるでしょう。
建物仕様書を確認する
分譲・建売住宅の購入を検討する際に重要な資料が「建物仕様書」です。この書類には住宅の構造や使用材料、設備など、その物件の品質を判断するための具体的な情報がすべて記載されています。
建物仕様書をしっかり確認することで、表面的な見た目だけでは判断できない住宅の本質的な価値を見極めることができるでしょう。
建物仕様書は専門用語が多く使われていることもあるため、初めて住宅購入を検討される方にとっては理解しづらい場合もあります。
わからない用語があれば、インターネットで調べるだけでなく、建築や不動産に詳しい第三者のアドバイスを受けることも有効な手段となります。同じ価格帯の複数の物件の仕様書を比較すると、各社の特徴や重視しているポイントが見えてくるはずです。
内覧会で実際に確認する
分譲住宅の内覧会は、パンフレットや図面だけでは分からない建物仕様を直接確認できる機会です。実際に目で見て、触れて、感じることで、住宅の品質や居住性を具体的に判断することができます。
内覧会では特に構造や設備の詳細をチェックし、将来の住まいの安全性や快適性を確認しましょう。また、カメラやメジャー、メモ帳を持参し、気になった箇所を記録しておくと後で比較検討する際に役立ちます。
質問事項はあらかじめリストアップしておき、担当者から建物仕様について詳しく説明を受けることも重要なポイントです。
内覧会で得た情報と建物仕様書の内容を照らし合わせることで、より正確な住宅の品質評価ができます。
住宅診断サービス(インスペクション)を利用する
プロの目を借りて隠れた欠陥や仕様を確認できる住宅診断サービスは、分譲住宅購入時の強い味方です。インスペクションでは、専門家が第三者の立場から建物の構造や設備を詳細に調査し、表面からは見えない潜在的な問題点を明らかにしてくれます。
インスペクションの主な調査範囲は基礎や屋根、外壁、設備配管など多岐にわたります。専門家が熱画像カメラや含水率計などの機器を使用して、目視では確認できない断熱性能や雨漏りのリスクまでチェックしてくれます。
住宅の構造や建物仕様に不安がある場合、あるいは中古の分譲住宅を検討している場合には特に有効な手段といえるでしょう。
専門家の診断結果があれば、将来のメンテナンス計画も立てやすくなります。分譲住宅の「本当の価値」を見極めるために、インスペクションの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
住宅購入時に確認すべきポイント
分譲住宅を購入する際は、建物の法的な安全性と性能品質を確実に確認することが重要です。実際に確認すべきポイントについて2点ご紹介します。
建築確認済証の有無
分譲住宅購入において建築確認済証は絶対に確認すべき法的書類です。この証明書は、その住宅が建築基準法に適合していることを示す公的な証明であり、適法性を保証する重要な書類となります。
建築確認済証がない住宅は、建築基準法違反の可能性があります。これは将来的に建物の安全性や資産価値に深刻な影響を与えかねません。また、違法建築物として是正命令や最悪の場合は取り壊し命令が出される可能性もあるため、購入前の確認は必須といえるでしょう。
住宅性能評価書の内容
住宅性能評価書は、第三者機関が客観的に住宅の性能を評価した公的な証明書です。
新築住宅の場合「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の2種類が存在し、この書類は分譲住宅の建物仕様を数値やランクで明確に示してくれるため、物件選びの際の重要な判断材料となります。
住宅性能評価書を確認することで、見た目では判断できない住宅の本質的な性能を把握できるのです。
住宅性能評価書は任意の制度であるため、すべての分譲住宅に必ず付いているわけではありません。しかし、評価書がある物件は第三者による客観的な性能評価を受けているという点で信頼性が高いといえます。
物件を比較する際は、この住宅性能評価書の内容をじっくり確認し、長期的な視点で住まいの品質を見極めていきましょう。
分譲・建売住宅購入に悩んだらグランディハウスへ
分譲住宅選びで迷ったとき、専門的な建物仕様や品質にこだわるグランディハウスがお力添えします。
グランディハウスはアフターサポート体制も充実しています。建物仕様に関する疑問や不安があれば、購入後も相談できる窓口が整備されていますので、安心して家探しを進められるでしょう。
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