ZEHに求められる断熱性能等級は？断熱性能を高めるポイントもご紹介

「ZEHって何となく聞いたことがあるけど、実際どんなメリットがあるの？」「断熱性能が高いと言われても、どれくらい高いのか具体的にイメージできない」という声をよく耳にします。

また「断熱性能を高めるために何をすればいいのか分からない」という疑問も多く寄せられています。こうした悩みを解決するためには、ZEH住宅の断熱性について正確な情報を得ることが大切です。

この記事では、ZEHとは何か、ZEH水準の断熱性能とはどのようなものか、そしてZEH住宅の断熱性がもたらす具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

また、断熱性能を高めるための重要なポイントや、グランディハウスの断熱性能の特徴についても紹介します。

ZEHとは

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス（Net Zero Energy House）」の略称で、住まいの断熱性能を高め、省エネと創エネを組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量の収支を実質ゼロにする住宅を指します。

具体的には、高性能な断熱材や窓を使用して断熱性を高めることで、冷暖房のエネルギー消費を抑え、さらに太陽光発電などで創エネを行うことでエネルギー収支をゼロに近づけていきます。

ZEH住宅の断熱性能は、一般的な住宅と比べて格段に高く設定されており、外皮平均熱貫流率（UA値）や夏期の日射取得係数（ηAC値）といった指標で評価されます。

ZEH住宅について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ZEH水準の断熱性能等級とは

ZEH水準の断熱性能等級は、住宅の省エネ性能を評価する重要な指標として位置づけられています。この等級は「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」の2つの要素から構成され、ZEH住宅として認定されるためには、これらが一定の基準を満たす必要があります。

断熱等性能等級とは

断熱等性能等級は、住宅の断熱性能を客観的に評価するための指標です。この等級は住宅性能表示制度の一部として、住宅がどの程度の断熱性能を有しているかを1〜7の7段階で示していて、数値が大きいほど断熱性能が高いことを意味しています。

ZEH水準においては、一般的に「断熱等級5」が求められます。

断熱等性能等級の評価基準は、外皮平均熱貫流率（UA値）と冷房期の平均日射熱取得率（ηAC値）という2つの数値で判断されます。UA値は住宅全体からどれだけ熱が逃げるかを示す値で、数値が小さいほど断熱性能が高いと言えるでしょう。

一方、ηAC値は夏の日射熱をどれだけ遮断できるかを示す値で、こちらも数値が小さいほど良好です。

一次エネルギー消費消費量等級とは

一次エネルギー消費量等級とは、住宅の省エネ性能を総合的に評価する指標です。この等級では、住宅で使用される冷暖房、給湯、換気、照明などの設備が消費するエネルギー量を数値化して評価します。

一次エネルギー消費量等級は3〜6の4段階で評価され、数値が高いほど省エネ性能が優れていることを示します。ZEH基準を満たすためには、等級6に相当する「基準一次エネルギー消費量から20%以上の削減」を達成しなければなりません。

断熱等級4とZEH基準の比較

断熱等級4とZEH基準（断熱等級5）には明確な性能差があります。両者の最大の違いは外皮平均熱貫流率（UA値）にあり、ZEH基準では地域によっては差はありますが等級4よりも厳しい数値が要求されています。

この差は単なる数値上の違いではなく、実際の生活に大きな影響を与えます。UA値が0.1W/㎡K下がるごとに、暖房エネルギーは約10%削減できるとされています。つまり、ZEH基準の住宅は等級4の住宅と比較して、暖房エネルギーを約20〜30%削減できる計算になります。これは年間の光熱費に換算すると、数万円の差になることも珍しくありません。

また、断熱性能の違いは室内の温度ムラにも影響します。断熱等級4の住宅では、外壁や窓付近と室内中央部の温度差がある程度生じることがありますが、ZEH基準の住宅ではこの温度差が抑えられる傾向にあります。

これにより部屋間の温度差（ヒートショック）のリスクが低減され、より健康的な住環境が実現できるでしょう。

このように、断熱等級4とZEH基準の違いは、エネルギー消費量だけでなく、快適性や健康面、さらには住宅の耐久性にも大きく影響します。

ZEH住宅の断熱性がもたらすメリット

ZEH住宅の高い断熱性能は、日々の暮らしに様々な恩恵をもたらします。

具体的な3つのメリットについてご紹介します。

光熱費を削減できる

ZEH住宅の優れた断熱性能は、光熱費の削減を実現します。一般的な住宅と比較して、ZEH住宅では冷暖房にかかるエネルギー消費量を削減できるとされています。これは、高性能な断熱材や窓の使用により、室内の温度が外気の影響を受けにくくなるためです。

断熱性能が高いZEH住宅では、夏は室内に熱が入りにくく、冬は暖かい空気が逃げにくいという特性があります。そのため、エアコンやヒーターなどの冷暖房機器の使用頻度や設定温度を抑えることが可能になり、結果として電気代やガス代の節約につながるのです。

また、断熱性能の高いZEH住宅では、部屋間の温度差が小さくなるため、暖房効率も向上します。一度温めた空気が長く室内にとどまることで、暖房機器の稼働時間が短くなり、エネルギー消費を抑えられるという仕組みです。

年中快適に暮らせる

高い断熱性を備えたZEH住宅では、季節を問わず快適な室内環境を実現できます。通常の住宅では、夏は室内が暑くなりすぎたり、冬は床や壁が冷たく感じたりすることがありますが、ZEH水準の断熱性能があれば、そうした温度ムラや不快感が大幅に軽減されるのです。

ZEH住宅の断熱性が年中快適さをもたらす理由は、熱の出入りをコントロールする性能にあります。高性能な断熱材と窓によって、外気温の影響を受けにくい室内環境が形成されます。夏は外の熱気が室内に伝わりにくく、冬は室内の暖かさが外に逃げにくい構造になっているのです。

結露やカビを防げる

ZEH住宅の高い断熱性能は、結露やカビの発生を効果的に防止できるという大きなメリットがあります。これは単なる見た目の問題ではなく、住まいの耐久性や家族の健康に直結する重要なポイントといえるでしょう。

従来の断熱性能が低い住宅では、室内と外気の温度差によって窓やコンクリート壁などの冷たい部分に結露が発生しやすくなっています。特に冬場は、室内の暖かい空気が冷たい壁や窓に触れると水滴となって現れ、それがカビの発生源となってしまうのです。

一方、ZEH住宅では高性能な断熱材により、壁や窓の表面温度が室内温度に近い状態を保ちます。そのため、結露が発生する条件自体を解消することができるのです。

ZEH住宅では、高い断熱性能に加えて計画的な換気システムも備えており、湿度コントロールもしやすい環境となっています。これにより、結露やカビの発生リスクを減らし、健康で快適な住環境を長期間維持できることが期待できます。

断熱性能を高めるポイント

ZEH住宅の断熱性能を高めるためには、いくつかの重要なポイントに注目する必要があります。

住宅全体の断熱性を向上させるには、壁や床、天井などの各部位において適切な断熱対策を講じることが不可欠です。特に熱の出入りが多い窓や開口部は、断熱性能に大きく影響する要素となっているため、慎重に選ぶことをおすすめします。

高性能な断熱材を使用する

ZEH住宅の断熱性能を高める最も効果的な方法は、高性能な断熱材を使用することです。従来の住宅と比較して、ZEH基準の住宅では断熱材の性能と施工方法に大きな違いがあります。

高性能な断熱材を適切に選択・施工することで、熱の出入りを最小限に抑え、断熱効果を最大化できます。

高性能グラスウールは、ZEH住宅の断熱性能を高める上で非常に効果的な選択肢です。グラスウールとは、ガラス繊維を綿状に加工した断熱材で、その中に閉じ込められた空気が熱の移動を抑制します。

なぜ高性能グラスウールが優れているかというと、繊維が細く高密度であるため、熱伝導率が低く保たれるからです。

さらに、高性能グラスウールは断熱性能に加えて遮音性も優れています。道路や隣家からの騒音を軽減し、より静かで快適な住環境の実現に一役買います。

窓の構造に気をつける

窓からの熱の出入りは住宅全体の約50～70%を占めるため、ZEH住宅で高い断熱性能を実現するには窓の構造に特に注意を払う必要があります。一般的な単板ガラスの窓では、外気温の影響を受けやすく、夏は室内に熱が入り、冬は暖かい空気が逃げてしまいます。

窓の断熱性能を高めるには、複層ガラスやLow-Eガラスの採用が効果的です。複層ガラスは2枚以上のガラスの間に空気層を設け、熱の伝導を抑える構造になっています。

さらに空気層に断熱効果の高いアルゴンガスなどを充填すると、断熱性能が一層向上します。Low-Eガラスは特殊な金属膜をコーティングしたガラスで、室内の熱を反射して逃がさない効果があります。

高性能な窓を選ぶことで、住宅全体の断熱性能が向上し、快適な室内環境と省エネルギーの両立が可能になるのです。

グランディハウスの断熱性の特徴

グランディハウスでは、「断熱等性能等級5」と「1次エネルギー消費量等級6」を基準とした住宅ローン減税制度の「ZEH水準の省エネ住宅」を満たした住まいを採用しています。

高い断熱性能とエネルギー消費量の削減により、健康的で人に優しく環境負荷の少ない住まいを実現しています。

2025年4月から「新築住宅省エネ基準適合」の義務化がスタートしました。グランディハウスでは2030年の「ZEH水準の省エネ性能」をクリアした、未来を先取りした住まいをお届けしています。

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