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市街化調整区域とは?
特徴や調べ方・住むときの利点や注意点を解説

市街化調整区域とは、無秩序な市街化を防止するために都市計画法で定められた区域です。市街地から離れた農地や山林などは市街化調整区域に定められていることが多く、建物を建てたり改築したりすることが規制されています。一方で、市街化調整区域に住む場合、独自のメリットも存在します。

この記事では市街化調整区域の特徴や調べ方、市街化調整区域に住むときのメリットとデメリット、法的な問題を起こさずに家を建てる方法について解説します。

1.市街化調整区域とは

市街化調整区域とは

市街化調整区域とは、都市計画法で定められた、市街化が抑制された区域です。市街化調整区域は、無秩序な市街化や乱開発から森林や農地を守るために指定されています。一方で、市街地や市街化が図られている区域は、都市計画法では市街化区域として区分されます。

第七条 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。
(中略)
 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする

引用:e-gov法令検索「昭和四十三年法律第百号 都市計画法 第二章七条」/引用日2023/03/05

農地が広がっているエリアや市街地から離れているエリアの多くは、市街化調整区域に属しています。市街地調整区域には、建築規制をはじめとした、市街化を抑制するための規制が存在します。

1-1.市街化調整区域の調べ方について

市街化調整区域かどうか調べる際、下記の2つの状況では調べ方がそれぞれ異なります。

  • 特定の物件について調べたいとき
    購入を検討している不動産の物件資料の用途地域の項目を確認しましょう。物件が市街化調整区域の場合は、用途地域の項目に市街化調整区域と記載されているので、一目で分かります。
  • 特定の区域について調べたいとき
    該当する市町村の都市計画課に問い合わせすることにより、市街化調整区域かどうかを確認するとよいでしょう。市町村がデジタルデータで都市計画図を提供している場合は、インターネット上で確認することもできます。

2.市街化調整区域に住むメリット3つ

市街化調整区域に住むメリット3つ

市街化調整区域は市街化区域とは異なり、街の発展や開発が抑制されています。そのため、市街化調整区域の物件には、一般的な市街化区域の物件とは異なったメリットが存在します。市街化調整区域に住む場合のメリットを3つ紹介します。

2-1.低価格で土地を購入できる

市街化調整区域は市街化区域と比較すると、土地の価格が低く設定されやすく、市街化区域の7~8割程度、場合によっては半額程度の価格で購入できる場合もあります。

土地の購入価格を抑えることで、自分の住居などにお金をかけられる点も魅力です。

2-2.土地の維持コストを低く抑えられる

都市計画税や固定資産税などの土地の維持コストを低く抑えられるという点も、市街化調整区域の魅力と言えるでしょう。

市街化調整区域では、土地などの不動産を所有すると課される都市計画税を納める必要がありません。

都市計画税を課することができるのは、原則として都市計画区域のうち「市街化区域内」に所在する土地及び家屋です。

引用:総務省「都市計画税」/引用日2023/03/05

また土地の評価額に比例して支払う必要がある固定資産税も、市街化区域と比べて土地の価格が低く設定されている市街化調整区域に住むことで安くなります。

2-3.落ち着いた静かな環境に住める

市街化調整区域は都市整備が制限された区域であることから、車や工事の音などの騒音も抑制されています。

また、市町村ごとに定められる最低敷地面積も、市街化区域などの都市部と比べると広く設定されているケースが多く、生活音による近隣トラブルが発生しづらい環境になります。

市街地から離れたエリアで、自然に囲まれながら落ち着いた環境で生活することができるという点も、市街化調整区域に住むメリットの1つと言えるでしょう。

3.市街化調整区域で注意すべきデメリット3つ

市街化調整区域で注意すべきデメリット3つ

ただし、市街化調整区域は人が住みやすいように定められている市街化区域と違い、市街化を防ぐための規制が存在します。結果として、住みづらさを感じる方もいるでしょう。市街化調整区域で注意すべきデメリットについて、3つ紹介します。

3-1.建物の新築・建て替え・増築などに制限がある

市街化調整区域では、原則として商業施設や住宅といった建物を新しく建設することができません。また、既存建築物の建て替えや増築、リノベーションを行う場合も自治体への開発許可申請や建築許可申請が必要になります。

開発許可や建築許可の申請を行う場合は、所持している土地が宅地となっているかを登記簿謄本で確認をしておきましょう。登記簿謄本の地目に農地と記載されている場合、農地法の転用規制があるため、開発許可申請だけでなく、農地転用許可申請も行う必要があります。

第四条 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に関する施策の実施状況を考慮して農林水産大臣が指定する市町村(以下「指定市町村」という。)の区域内にあつては、指定市町村の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。

引用:e-gov法令検索「農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)」/引用日2023/03/09

建物の建築等を検討している領域が土地開発を認められているか分からない場合は、申請を行う自治体に直接問い合わせてみることもおすすめです。開発許可や建築許可には都市計画法の制限以外に、各自治体によって許可基準が異なる場合があるので、事前にしっかりと確認をするようにしましょう。

3-2.インフラ整備の優先度が低い

市街化調整区域は、市街化の抑制を目的としている区域のため、市街化区域と比べて電気やガス、水道などの公的なインフラの提供が十分行われていない場合があります。

居住する際にインフラを整備する場合、基本的に自己負担になります。土地購入の費用を節約できたとしても、上下水道や電線の整備等で高額な初期費用がかかることも考えられるので注意しましょう。

3-3.資産価値が低くなりやすく売却も難しい

土地の価格が安いことに加え、建築制限やインフラの不足によって資産価値が低くなりやすいという点も、市街化調整区域のデメリットの1つと言えるでしょう。

また、資産価値が低くなると、市街化地域と比べて担保にする価値が低いとみなされ、住宅ローンの審査が通りづらくなることにもつながります。将来的に売却が難しくなる場合も考えられるので、注意しましょう。

4.市街化調整区域に建物を建てるには

市街化調整区域に建物を建てる方法について、以下の3つの方法があります。

開発許可が不要な建物を建てる
市街化調整区域では、農林業を営む者の居住用建築物であれば開発許可が必要なく、自由に建物を建てることができます。ただし、農業や林業を営む者であれば誰でも自由に住宅を建築できるわけではなく、自治体によってさまざまな条件が設けられている場合もあるので注意しましょう。

また、開発許可が不要かどうかは、都道府県知事が定めた開発審査会への審査請求が必要な場合があります。農林業を営む者であっても、市街化調整区域で住宅を建てる際はあらかじめ自治体に相談することをおすすめします。

出典:e-gov法令検索「昭和四十三年法律第百号 都市計画法 第二十九条」

出典:e-gov法令検索「昭和四十三年法律第百号 都市計画法 第七十八条」

宅地利用が認められた土地に建物を建てる
市街化調整区域では、宅地利用が認められた土地であれば建物を建てることができます。ただし、建築できる建物は都市計画法第34条により「住宅兼用店舗」「分家住宅」「既存住宅の建て替え」の3つに限定されています。

また、市街化調整区域における開発基準に対する解釈は自治体によって異なる場合があるため、事前に自治体の建築調整課等へ問い合わせるようにしましょう。

出典:e-gov法令検索「昭和四十三年法律第百号 都市計画法 第三十四条」

ディベロッパーが開発許可を取得した土地に建てる
不動産会社などのディベロッパーが開発許可を取得している分譲住宅地であれば、市街化調整区域であっても住宅の建築が可能です。低層の一戸建て住宅に限定されますが、購入した個人でも自由に住宅を建てることができます。許可申請も不要であり、法的な問題が起こりづらい方法と言えます。

まとめ

市街化調整区域とは、無秩序な市街化や乱開発から森林や農地を守るために都市計画法施行令で定められた区域のことです。市街化調整区域では開発が規制されており、一部の例外を除いて、住宅や施設の新築や改築を行うたびに許可申請が必要です。

市街化調整区域に住む場合、土地が安く、都市計画税の納付が不要で、落ち着いた静かな環境に住めるメリットがあります。一方で、建築制限があるほかインフラの整備が遅れており、不動産の資産価値が低くなりやすいデメリットもあります。

市街化調整区域で個人が住宅を建てるのであれば、ディベロッパーが開発許可を取得した分譲住宅地を購入することで法的な問題が起こりづらくなるでしょう。

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