一軒家(一戸建て住宅)の購入は、誰もが憧れる買い物です。一軒家の取得において最も着目するポイントが住宅の建築費用やその他設備などの購入費用ですが、実は「税金」も費用がかさむ大きな要素となります。
また、一軒家における税金は、住宅の購入時・建築時それぞれで必要となるだけでなく、一軒家を建てて実際に暮らし始めた後も必要となることや、各税金の金額を正確に把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、一軒家を購入するときにかかる税金と、建てた後にかかる税金をそれぞれ具体的に説明します。マイホームとして一軒家の購入を検討している人は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。
1.一軒家を購入するときにかかる税金は?
一軒家を購入する際は、さまざまな費用がかかります。その中でも税金は、住宅の取得に必要な費用に対して割り出されるお金であることから、「諸費用」とまとめられやすいことが特徴です。
建売住宅の購入前・購入後にかかる諸費用の目安をわかりやすく解説!
住宅取得において、諸費用は意外と高額であり、大きな負担になってしまうことも珍しくありません。「住宅の購入費用・建築費用だけに目を向けるばかりに、税金の存在を忘れてしまう」といったことがないよう、事前にきちんとシミュレーションしておくことが大切です。
マイホーム購入において、税金は大きく分けて「住宅購入時」と「住宅購入後」に支払い義務が発生します。一軒家を購入するときにかかる税金は、下記の通りです。
- 印紙税
- 免許登録税
- 不動産取得税
- 消費税
ここからは、それぞれの税金について概要や金額などを挙げながら詳しく解説します。
1-1.印紙税
印紙税とは、住宅購入契約にかかわる書類発行時に発生する税金です。
印紙税法により定められた課税文書に対して課税されるもので、土地・住宅購入時に売主と交わす「土地売買契約書・不動産売買契約書」や、住宅建築時に施工会社と交わす「建設工事請負契約書」などが課税文書として挙げられます。これらの契約書に収入印紙を貼り付け、消印することで税金を納めたこととなります。
印紙税は、課税文書(契約書)の種類と、契約書に記載された金額に応じて金額が決定します。不動産売買に関する契約書における、記載金額別の印紙税額は下記の通りです。
契約書の記載金額 | 印紙税額(収入印紙代) |
---|---|
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 |
また、2022年3月31日までに作成される一部の契約書においては、軽減措置が適用されます。軽減措置対象となるのは不動産の譲渡・売買に関する契約書と建設工事請負契約書であり、軽減後の税率は下記の通りです。
契約書の記載金額 | 印紙税額(軽減後) |
---|---|
100万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 3万円 |
出典:国税庁「No.7101 不動産の譲渡・消費貸借等に関する契約書」
出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
1-2.登録免許税
登録免許税とは、購入した土地・建物に所有権を登記するときに発生する税金です。通常、土地や建物を購入した際は、法務局の登記簿に所有権を記録して公示しなければなりません。このときに行う所有権の保存登記や移転登記に、登録免許税が発生します。
登録免許税の税額は、登記の種類・ケースによっても異なります。
登記の種類 | 登録免許税額 |
---|---|
土地の所有権の移転登記 | 土地評価額×2.0% |
新築住宅の所有権の保存登記 | 建物評価額×0.4% |
中古住宅の所有権の移転登記 | 建物評価額×2.0% |
また、登録免許税も一定の条件を満たすことで、特例として軽減税率が適用されます。軽減措置の対象となる登記とその条件、さらに軽減措置後の税率は下記の通りです。
軽減措置対象の登記の種類 | 軽減措置条件 | 登録免許税額 |
---|---|---|
土地の所有権の移転登記 | 2023年3月31日までに登記する | 土地評価額×1.5% |
新築住宅の所有権の登記 | 2024年3月31日までに登記する | 建物評価額×0.15% |
中古住宅の所有権の移転登記 | 2024年3月31日までに登記する | 建物評価額×0.3% |
主な軽減措置条件は登記の期間が定められていますが、その他にも床面積が50平方メートル以上であること・取得後1年以内の登記であることなど、いくつかの要件を満たさなければならない点に留意しましょう。
1-3.不動産取得税
不動産取得税とは、その名の通り土地・建物といった不動産を購入したときに発生する税金です。国税ではなく地方税で、都道府県が納税先となります。住宅の取得に伴ってかかる税金ですが、支払いタイミングは入居後、納税通知書が届いてからです。
不動産取得税の税額は、下記のように算出されます。
種類 | 不動産取得税額 |
---|---|
土地 | 土地評価額×3.0% |
建物(住宅) | 建物評価額×3.0% |
不動産取得税も、ほかの税金と同じように、特定条件を満たせば軽減措置を受けることが可能です。新築の一軒家を建てた場合、評価額から1,200万円が控除されます。この軽減措置を受けるためには、床面積が50平方メートル以上・240平方メートル以下の居住用住宅で、かつ新耐震基準に適合していることが証明されていなければなりません。
上記の要件を満たした居住用住宅が建っている土地は、下記のうちいずれか多い額が、不動産取得税から控除されます。
- 45,000円
- (土地1平方メートルあたりの価格 × 50%) × 住宅の床面積の2倍(※上限200平方メートル) × 3%
なお、土地の取得後1~3年以内に住宅を建築する・新築後1年以内に土地を取得するなどの要件があることにも注意してください。
1-4.消費税
消費税とは、モノやサービスの購入に対して発生する税金です。住宅取得においては、一軒家の購入費用・建築費用といった「建物部分の価格」にのみ課税されます。土地は消費されるモノやサービスではないため、消費税の課税対象にはなりません。
出典:国税庁「No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など」
また、住宅購入において、消費税は事業者との取引にのみ発生する税金です。そのため、業者を介さず一般のオーナーと取引をする場合、建物価格にも税金が発生しません。
2022年現在、消費税の税率は「8%」と「10%」の2種類がありますが、住宅購入に関わるお金の税金は軽減税率が適用されない10%となっています。
一軒家の購入における消費税額 |
---|
建物価格 × 税率10% |
一軒家の購入における消費税の軽減措置には、「すまい給付金」という制度が挙げられます。すまい給付金は、2019年10月に行われた消費税の引き上げに伴って創設された制度ですが、現段階では2022年12月末で終了予定となっています。加えて、注文住宅の新築や分譲住宅の購入においては対象となる契約期間が終了していることに注意が必要です。
2.一軒家を建てた後にかかる税金は?
ここまで、一軒家を建てるときにかかる税金を紹介しました。
一軒家を建てた後に必要となる税金は、「固定資産税」と「都市計画税」の2種類です。また、それ以外にも保険や住宅のメンテナンス・修繕費用、リフォーム費用などで大きな額が必要となる可能性も十分考えられるため、計画的に積み立てをする必要があるでしょう。
ここからは、一軒家を建てた後にかかる2種類の税金について、それぞれ詳しく紹介します。
2-1.固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点において、土地・住宅といった固定資産の所有者に課税される税金です。地方税となっており、納税納付書が届いた先の都道府県に納税する必要があります。自治体によって細かに異なるものの、基本的には毎年4~6月ごろに納税納付書が届きます。
また、固定資産税は住宅の資産価値によって異なることも特徴です。基本的な計算方法は、下記の通りとなっています。
固定資産税の計算方法 |
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固定資産税評価額(課税標準額) × 税率(標準1.4%) |
住宅の資産価値によって大きく左右されるポイントが、固定資産税評価額です。新築の場合、建物の購入価格の約7割が評価額とされていますが、居住年数などによって徐々に下がっていくことも覚えておきましょう。
出典:総務省「固定資産税」
2-2.都市計画税

都市計画税とは、毎年1月1日時点において、市街化区域内の土地・住宅の所有者に課税される税金です。都市計画事業をはじめとしたあらゆる地域事業に必要な費用を賄うため設けられた税金制度であり、地方税に該当します。徴収方法は固定資産税と同様、毎年4~6月ごろに届く納税納付書から納付することが特徴です。
都市計画税の額は、下記の計算方法で算出されます。
都市計画税の計算方法 |
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固定資産税評価額(課税標準額) × 税率(上限0.3%) |
厳密に言うと、税率は市町村の条例によって細かに異なります。しかし、「上限0.3%」と示しているように、たとえ市町村によって税率が異なっているとしても0.3%を超えることはありません。
なお、固定資産税も都市計画税も、特定の条件を満たすことで特例軽減措置が適用される場合があります。
出典:総務省「都市計画税」
まとめ
住宅取得において、税金を含む諸費用はスルーされやすい費用項目です。しかし、意外と税金が痛手となるケースも珍しくないため、一軒家・マンション問わず居住用物件を購入する際は必ず各種税金もあらかじめ確認しておく必要があります。
一軒家を購入するときにかかる主な税金には、印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税・固定資産税・都市計画税が挙げられます。固定資産税と都市計画税に関しては、住宅を取得してから毎年発生する税金となるため、入居後も計画的に積み立てをすることがおすすめです。
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