新居への引越しを控えているとき、必要なのか気になるのが引越し後の挨拶です。単身での引越しや女性の一人暮らしの際は引越し後の挨拶をしないことが一般的になってきているものの、戸建てへの引越しでは近隣への挨拶は大切です。
当記事では、戸建てに引っ越したときに挨拶をするメリットとともに、挨拶のマナーについても解説します。引越し先でよりよい人間関係を築き、充実した暮らしを送るためにも、この記事をぜひ参考にしてください。
1.戸建てに引越したとき挨拶をする理由
引越し挨拶回りをしないままでいると、ご近所からの第一印象が悪くなったり、トラブルに発展しやすくなったりします。新しい土地で良いスタートを切れるように、引越しを済ませた後は挨拶回りを行うことをおすすめします。
また、戸建てに引っ越したときに挨拶をすると、以下のようなメリットを得られます。
・どのような人が住んでいるのか知ることができる
引越し先で長く暮らそうと考えているなら、近隣住人とよい人間関係を築くことが大事です。そのために、どのような人が住んでいるのか挨拶して知っておきましょう。
・もしものときに助け合える
家の鍵を落とすなど急にトラブルが起きたとき、話したことがない人には頼りにくいものです。しかし、引越しの挨拶をしてご近所と顔見知りになっていれば、何か起きたときに頼りやすくなります。
・地域の情報収集に役立つ
子どもがいる場合や、家族で引っ越す場合は、情報収集のために挨拶を行っておくとよいでしょう。地域によりますが、町内会や子ども会などの活動が多いところもあります。引越しの挨拶をしておくと、地域に関する情報収集がしやすくなる上に、家族構成と子どもの年齢を伝えることでイベントに参加しやすくなるでしょう。
2.戸建てに引越したとき挨拶をする理由
戸建てに引っ越したときの挨拶回りは、近隣住民の人に好印象を残せるものにしておくとよいでしょう。タイミングやマナー、話す内容など、挨拶の仕方によって印象は左右されるため、適切な対応をすることが大切です。
ここでは、引越しの挨拶の仕方について詳しく解説します。
2-1.挨拶のタイミング
新築住宅に引っ越すときの挨拶は、前日までに済ませておくのがベストです。
引越しのときは、トラックの出入りによって、長時間道路を塞いでしまいます。また、引越し作業中の荷物を運ぶ騒音も近所迷惑になるかもしれません。前もってお詫びも含めた挨拶をしておくと、トラブルを回避できます。どうしても前日までにできない場合は、当日か翌日に挨拶しましょう。
挨拶する時間帯は10~17時が目安です。17時より遅くなると夕食の準備などがあり、忙しい時間帯になるため避けましょう。もっと遅い時間は非常識であり、相手に警戒心を持たれます。朝早い時間帯も忙しいことが多く、適切ではありません。
また、引越しの挨拶に伺っても相手が不在だった場合は、日にちや時間帯を変えて2〜3回訪ねましょう。それでも挨拶ができなかったら、挨拶状を手土産に添えてドアノブに下げたり、ポストや郵便受けに入れたりすると好印象です。
挨拶状に添える挨拶文は、次のような内容がよいでしょう。
「○月○日、隣に引っ越してまいりました○○です。ご挨拶に伺いましたがご不在だったため、お手紙でのご挨拶とさせていただきます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」
もし後日直接顔を合わせたら、改めて挨拶しましょう。
2-2.挨拶する範囲
一戸建ての挨拶範囲は、「向こう三軒両隣」を目安にしましょう。向こう三軒両隣とは、具体的に言うと家から見える向かいの3軒と、左右にある2軒の「計5軒」のことです。
向こう三軒両隣の人とは、車の出し入れなどで気を遣う機会が多く、普段から顔を合わせやすい相手です。また、自治会の班が一緒になることも多いため、挨拶は忘れずに行いましょう。
真裏にも家がある場合、裏の家とその両隣の家の人とは、あまり顔を合わせないかもしれません。しかし、生活音などで迷惑をかけてしまう可能性もあるため、できれば挨拶しておくとよいでしょう。
さらに、大家さんや町内会長などへは地域によって挨拶が必要になります。引っ越した先の地域性を調べて、大家さんや町内会長などに挨拶したほうがよいかリサーチしましょう。また、自治会長にも挨拶しておくと、スムーズに暮らしやすくなる場合があります。
2-3.挨拶するときのマナー
挨拶するときには、以下のポイントに気を付けることが大切です。
- 服装や髪型など、清潔感がある身だしなみにする
- 何の目的で訪問したのか、先に要件を伝えて安心してもらう
- 不信感を与えないように、ハキハキ話す
- 相手に用事がある可能性を考慮して、短時間で挨拶を切り上げる
- 手土産を袋に入れて持ってきた場合は、袋から出して手渡す
- 手土産は両手で持ち、相手に正面を向けて渡す
挨拶のマナーをしっかり守り、相手に好印象を残せるようにしましょう。
挨拶のときに、何を言うべきなのか分からない人は、前もって定型文を作っておくのがおすすめです。以下の文章を参考にしてください。
【引越し前の挨拶】
「○月○日、お隣に引っ越す予定の○○と申します。引越し作業をする○月○日はお騒がせしてしまいますが、どうぞよろしくお願いいたします。心ばかりですが、こちらをお受け取りください」
【引っ越してからの挨拶】
「○月○日、お隣に引っ越してきた○○と申します。当日は引越し作業でご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。心ばかりですが、こちらをお受け取りください」
3.引越し挨拶に手土産は必要?
挨拶するときには、手土産を持っていくのがマナーです。手土産の費用相場は、500~1000円程度とされています。高い金額の品物を持っていくと、相手に気を遣わせるので注意が必要です。
手土産は、お菓子や消耗品を用意するとよいでしょう。ポイントは、相手に使い道で困らせないことです。食品や日用品は毎日使う消耗品であるため、相手も困ることはほとんどないでしょう。
●手土産の例
- クッキー(賞味期限が長くて日持ちするため)
- タオル
- ティッシュペーパー
- 洗剤
- 入浴剤
3-1.手土産にはのしを付ける
引越しの挨拶をするときの手土産には、熨斗(のし)を付ける必要があります。のしにはさまざまな種類があるため、適切なのしを付けて、相手に失礼のないようにしましょう。
水引は、紅白で蝶結びのものを選びます。紅白はお祝いに使われる色で、蝶結びは何度も結び直せるという意味があり、縁起がよい結び方です。
表書きは、上段に「御挨拶」、下段には名前を覚えてもらえるよう、自分の名字を書きます。ボールペンや万年筆だと細い文字になってしまうため、字は筆ペンで書くのが望ましいでしょう。
品物が包装された上にのしを付けることを、外のしと言います。引越しの挨拶の場合は、外のしにして手土産を渡しましょう。外のしにしておけば、挨拶品であるということをすぐ相手に知らせられます。
一方で、「内のし」は品物にのしを付けてから包装する方法で、内祝いのときに選ばれる掛け方です。内祝い以外は外のしと覚えるとよいでしょう。
のし紙の掛け方は裏側の紙の右側を上にする慶事掛けにします。左側を上にしてしまうと弔辞掛けとなり、お悔やみの形式になるため、細部にまで気を使う必要があります。
まとめ
一戸建ての家に引っ越すときは、できれば引越しの前に新居の「向こう三軒両隣」に挨拶しておくとよいでしょう。挨拶をしておくと、近所にどのような人が暮らしているのか分かるだけでなく、地域のことを知り暮らしに溶け込む第一歩にもなります。
挨拶をする際は清潔感のある身だしなみではっきりと話し、相手に好印象を抱いてもらえるように心がけます。マナーとして500~1000円程度の手土産も持参することをおすすめします。ご近所さんに挨拶をした際に地域の特徴についても尋ね、必要な場合は町内会長や自治会長にも挨拶をしましょう。