念願のマイホーム購入が決まったものの、住所変更などの各種手続きの流れや方法が分からず、不安を感じている方は多くいらっしゃいます。
特に初回購入者の場合、「住所変更のタイミングがよく分からない」「役所以外にも届け出が必要な場所があるようだけれど、どこに何を提出すればいいのか把握できない」といった悩みをお持ちではないでしょうか。
このような不安を抱える気持ちは、とても自然なことです。家の購入は人生で最も大きな買い物の一つであり、関連する手続きも複雑で多岐にわたります。しかし、適切な順序と必要書類を事前に把握しておけば、スムーズに手続きを完了させることができるでしょう。
本記事では、家購入時の住所変更のベストなタイミングから、役所での基本手続き、運転免許証や車関連の手続きまで、必要な住所移動手続きを網羅的にご説明いたします。
また、各手続きで必要となる書類や具体的な流れも詳しく解説し、初めて家を購入される方でも迷わず手続きを進められるよう、実践的な情報をお届けします。
目次
家を購入した時の住所変更はいつするべき?

家の購入における住所変更のタイミングとしては、主に住宅ローンの契約前と引越し後の2種類があります。
それぞれの選択肢について、注意点を交えながら解説します。
住宅ローン契約前
住宅ローン契約前に住民票を新住所へ移してから登記を行うことで、住所変更登記の手間とコストが省けます。
具体的な手続き方法は自治体によって異なるため、住民票の異動については必ず管轄自治体に問い合わせて確認するようにしてください。
引っ越し後
引っ越し後の住所変更は、住民基本台帳法に基づく法的義務であり、原則として引っ越しから14日以内に行う必要があります。
注意すべき点として、住所変更の手続きを行わなかった場合、住民票上の住所は旧住所のままなので、新住所の証明ができず、新住所地の役所では住民票は取得できません。
また、各種手続きが不便になるため引っ越し後は速やかな対応が求められるでしょう。
引っ越し後の住所変更を選択した場合の具体的な手続きでは、転出証明書・本人確認書類・印鑑を持参して新居の管轄役所で転入届を提出します。提出書類に不備がなければ、多くの自治体では転入届を出したその日に住民票をもらうことができますので、その後の各種手続きもスムーズに進められます。
引っ越し後の住所変更は法的義務を確実に遵守できる方法ですが、新生活に必要な各種手続きが遅れる可能性もあるため、引っ越し当日または翌日には役所での手続きを完了させることをおすすめします。
家購入時に必要な住所変更手続きの種類

家購入時に行う住所変更手続きは、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれに具体的な手順や方法、注意点が異なりますので1つずつ詳しく解説します。
役所で行う基本的な住所変更手続き
役所で行う住所変更は、主に「転出届」「転入届」「転居届」の3つの届出があり、引越し先の家の所在地によって必要な手続きが変わります。異なる市区町村へ引越しする場合は転出届と転入届、同一市区町村内での引越しの場合は転居届のみが必要となります。
まず、転出届・転入届については、転出届は引越し前の市区町村役所で行い、転入届は引越し先の市区町村役所で行います。
マイナンバーカードをお持ちの方は、特例転出・特例転入という便利な制度を利用でき、マイナンバーカードが転出証明書の代わりになります。自治体によっては同一世帯の一人でもマイナンバーカードを持っていれば全員分の手続きができるため、効率的に進められるでしょう。
運転免許証の住所変更手続き
運転免許証の住所変更は法的義務であるため、正式には記載事項変更手続きといい、運転免許所有者に義務付けられている事項となっています。
道路交通法では「速やかに変更手続きを行うように」と規定されており、具体的な期限は設けられていませんが、住所変更手続きを怠ると、道路交通法第121条第1項第9号により2万円以下の罰金または科料に処されるリスクがあります。
実際の手続きは、新しい住所を管轄する警察署や運転免許更新センター、運転免許試験場で行います。必要書類と持ち物に不足がなければ、スムーズに手続きは完了します。
手続き後は、新住所が運転免許証の裏面に記載されるため、表面には旧住所がそのまま残ります。ただし、データベースおよびICチップ内の情報は、新住所に更新されています。
車を持っている場合の手続き
車を持っている場合、家購入に伴う住所変更では車庫証明書と車検証の変更手続きが法的義務となります。
手続きは保管場所がある地域を管轄している警察署で行い、必要書類は自動車保管場所証明申請書・保管場所の所在図・配置図・保管場所使用権原疎明書面などです。
賃貸駐車場を利用する場合は保管場所使用承諾証明書も必要になります。新しい車庫証明の交付に7日間ほどかかることもあるため、早めに手続きするようにしましょう。
次に車検証の住所変更を行います。普通自動車の場合は管轄の陸運局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で手続きを行います。
手続きには住民票・車検証・車庫証明書・申請書・印鑑・手数料納付書が必要です。車検証の住所変更には車庫証明が必要になりますので、必ず車庫証明の手続きを先に完了させる必要があります。
住所変更手続きの具体的な流れと必要書類
家購入時の住所変更手続きには、役所での住民票移動から始まり、運転免許証や車関連の変更まで、複数の段階的な手続きが必要となります。
手続きの流れとしては、まず転出届・転入届による住民票の移動を行い、これを基に各機関への届出を順次進めていく形となります。
変更手続きの流れ
住所変更手続きは役所での住民票移動を行い、新しい住民票の取得を完了させましょう。引っ越し後14日以内に転入届または転居届を提出し、新住所に基づいて各種手続きに必要な証明書類の取得が可能となります。
次に、運転免許証の住所変更を新住所を管轄する警察署または運転免許センターで行います。住民票の写しと現在の運転免許証を持参すればスムーズに手続きが完了し、手数料は無料です。
運転免許証の住所変更は法的義務であり、怠ると道路交通法違反になる可能性があるため、速やかに済ませることが推奨されます。
最後に、各種保険会社への住所変更届も忘れずに実施し、住所変更手続きの完了確認を行うことで、新生活における各種通知の受け取りを確実にします。
必要な書類
住所変更手続きに必要な書類は、手続きの種類によって大きく異なります。
転入届では「転出証明書」が最も重要な書類となり、これは引越し前の市区町村で転出届を出した時に受け取る証明書です。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・健康保険証など)も必須書類で、同一世帯の方が代理で手続きする場合でも必要となります。
転居届(同一市区町村内での引越し)の場合は、転出証明書は不要で、本人確認書類とマイナンバーカード(お持ちの方)があれば手続きができます。
運転免許証の住所変更手続きは、書類の準備が比較的シンプルです。住民票の写し(マイナンバー記載なし・コピー不可)またはマイナンバーカードが新住所を証明する書類として必要になります。
運転免許証記載事項変更届は警察署や運転免許センターの窓口に備え付けられているため、当日記入すれば問題ありません。
現在の運転免許証も必ず持参し、新しい住所が記載された健康保険証、官公庁発行の郵便物(転送されたものは不可)、外国籍の方は在留カードなども住所確認書類として利用できます。
車庫証明の申請には、複数の専用書類が必要です。自動車保管場所証明申請書、保管場所標章交付申請書、所在図・配置図、保管場所使用権原疎明書面(自己所有の場合)または保管場所使用承諾証明書(賃貸の場合)が基本的な申請書類となります。
これらの書類は警察署窓口で配布されるか、警察署のホームページからダウンロードすることができます。車の使用者の住所が確認できる書類(住所記載の運転免許証や健康保険証など)も併せて準備しましょう。
書類の有効期限を把握し、計画的に準備を進めることで、スムーズな住所変更手続きが実現できます。特に車関連の手続きでは複数の書類が必要となるため、事前にチェックリストを作成して漏れのないよう準備することをおすすめします。
まとめ
家を購入した際の住所変更手続きは、単なる事務的な作業ではなく、新生活をスムーズに始めるための重要な基盤となります。
これまでご紹介した内容を通じて、適切なタイミングでの手続き実行が、将来的な煩雑さを回避し、安心した新生活の第一歩となることをお分かりいただけたでしょう。
住宅ローンの契約タイミングに合わせた住所変更は、金融機関との関係をスムーズに保つだけでなく、二度手間を避ける効果的な方法です。また、役所での転入届から運転免許証、車関連の各種手続きまで、計画的に実行することで時間と労力を大幅に節約できます。
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